コンテンツマーケティング

【目標設定が重要】コンテンツマーケティングにおける適切な目標設定(KPI/KGI)と効果測定のポイント

2022/04/27コンテンツマーケティング

一定の期間、継続して行うことで大きな成果を得られるコンテンツマーケティング。

しかし「運用を始めるにあたってどんな目標を設定するのが適切なのかわからない」「PV数は上がってきているけれど、売り上げにつながっているのかわからない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこでまず取り組んでほしいのが〈適切な目標〉と〈ゴールに至るまでのプロセス〉を設定することです。こうした基準に基づいた項目を効果測定することにより、都度現状と目標との乖離を明確にし、そこを埋めるための最適なアプローチを選択することによって目標を達成することができます。

ここではコンテンツマーケティングにおける目標設定の重要性や具体例、効果測定の方法をKPIやKGI、ROIといった考え方に基づいて説明します。

集客が思うようにいかない、コンテンツマーケティングの成果を最大限に高めてサイトやメディアを成長させたいという方はぜひチェックしてください。

コンテンツマーケティングとは?広告との違いは?まずはそのメリットをおさらい

コンテンツマーケティングとは、企業側が主体となってターゲットユーザーに対して接点を持ちかける広告手法とは異なり、ユーザーにとって価値のある悩みや潜在ニーズに応えるようなコンテンツを用意することで、検索行動など、ユーザー主体のアクションによって接点を得る手段のことです。

そのメリットとして、すでにニーズが顕在化している特定のターゲットへのアプローチを前提とした広告とは異なり、コンテンツマーケティングはまだニーズが顕在化していない顧客や、KWといったユーザーのニーズ自体に対してアプローチすることで、それらをリード(見込み客)に育成することができます。またユーザーとの継続的な接点を持つことによるブランディング効果や顧客ロイヤリティの向上、またその蓄積は継続的な成果の創出、社内活用を可能にするといった点が挙げられます。

その違いが最もわかりやすい例として、リスティング広告との比較があります。

検索エンジンのアルゴリズムに基づいて表示される検索結果画面「自然検索」(オーガニック検索)と異なり、リスティング広告とは検索連動型広告とも呼ばれ、課金やオークションによって検索結果画面上部に広告を設置することができます。

自然検索結果は検索エンジンのアルゴリズムによってランキングされるため、その順位や表示内容をコントロールすることは難しいですが、リスティング広告にはその位置やタイミング、内容を随時コントロールすることができるというメリットがあります。

しかしリスティング広告には継続的な掲載費用のほか、広告に抵抗感を持つユーザーが一定数存在していることや、特定のキーワードを検索する興味関心が高い顕在ユーザーには効果があるものの潜在ニーズにはアプローチできず、認知拡大には向かないといったデメリットが存在するため、基本的にSEOを含むコンテンツマーケティングでは潜在ユーザーを獲得し、ブランディングや既存顧客のファン化といったメリットを獲得することができる「自然検索」を増やすことが目指されます。

コンテンツマーケティングにおける効果測定のポイント

ビジネスおよびソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティング、SEO。3D レンダリング ストックフォト

コンテンツマーケティングにおけるメリットはその潜在性から、リスティング広告などと比べ、その効果を測定し、数値化することが難しいです。そこで重要になってくるのが〈KPI〉や〈KGI〉といった目標となる指標の設定です。

企業経営やマーケティングなどの最終的な目標を数値化したのがKGIであり、そのKGIを達成するための戦術として落とし込んだ指標がKPIです。これはコンテンツマーケティングでも同様で、Webサイトの目的に合わせてKGI(最終的な目標)を設定し、そこからKPIに落とし込んでいきます。

それぞれの単語を詳しく説明すると以下のようになります。

・KPI(key Performance Indicator)

〈KPI〉は日本語で「重要業績評価指標」と言われ、最終目標となる〈KGI〉に到達するまでの途中経過を段階的に評価する指標です。そのため〈KPI〉は〈KGI〉よりもある程度細かく、そして複数設定することがおすすめです。

・KGI(Key Goal Indicator)

〈KGI〉は日本語で「重要目標達成指数」と言われ、事業を行ううえでの最終目標、つまりそのプロジェクトにおける達成したいゴールを表す指標です。コンテンツマーケティングにおける最終目標としては、上でメリットとしてあげた潜在顧客へのリーチ、リードへの育成、ブランディングや既存顧客のファン化、そして購買や契約と言ったCV(サイト訪問者が顧客に変わる)のように、段階ごとに目指されるものになるでしょう。

しかし上で述べたように、やはりコンテンツマーケティングにおけるメリットはその潜在性から、リスティング広告などと比べて数値化することが難しいです。

たとえばWeb広告はKPIとしてROAS(Return on ad spend:広告経由の売上÷広告費用×100)といった指標を用いてその施策効果を測定することができます。一方、コンテンツマーケティングは、そのコンテンツがどれほど売上に貢献したのかといった情報を正確に把握することが難しいという背景から、短期的に効果が疑問視され、結果が出る前に施策中止を余儀なくされるケースも少なくありません。

コンテンツマーケティングはユーザーの育成を行って関係性を構築する戦略である以上、明確な数値で評価できるほどの成果が出るまでには時間がかかるため、中長期的な視野で考える必要があります。そして「顧客獲得」「認知・拡散」「購入・申込」など、それぞれの段階に適したコンテンツの用意、KPIの設定、効果測定を行うことが大切です。

サイトの段階、目的に合わせたKPIとKGIを設定しよう

コンテンツマーケティングにおける効果測定、目標の指標となる〈KPI〉や〈KGI〉は潜在顧客へのリーチ、リードへの育成、ブランディングや既存顧客のファン化、そして購買や契約と言ったCV(サイト訪問者が顧客に変わる)のように、その段階ごとに適切に設定することによってはじめて効果を発揮し、正確な効果測定を行うことができます。

ここではコンテンツマーケティングにおける段階をそれぞれ

1.〈立ち上げ、潜在顧客へのリーチ〉の段階

2.〈定着、拡散〉の段階

3.〈CV、顧客獲得〉の段階

に分け、それぞれの段階において効果測定の基準となる数値について説明します。

この段階はあくまでも目安ですので、それぞれのサイトの目的や規模に合わせてこうしたいくつかの段階を設定してください。

1.〈立ち上げ、潜在顧客へのリーチ〉の段階で評価したい指標

この段階ではまだユーザーが少ない状態なので、いきなり最終的なKGIである「CV数」や「顧客ロイヤリティの向上」を求めるのではなく、まずは「集客力」に着目すべきです。各メディアによって目的は異なりますが、分析の対象となるユーザーを増やさなければ、サイトの分析を行うこともできません。そこで最初は「集客力」を測れるようなKPIを設定しましょう。また初期段階では特にKPIを多く細かく設定し、サイトの進捗をできるだけ早めに確認できるKPIを設定するのがいいでしょう。

  • 検索順位(競合サイトとの差分)

Google Search Consoleでも確認できる「検索順位」の情報ですが、月間検索数の少ないキーワード(スモールキーワード)であれば、コンテンツによって比較的早く評価されることが可能です。こうしたキーワード選定のコツやその手順に関しては【SEO】集客に強いキーワード選定とは?コツと手順を徹底解説を参照にしてください

  • サイトのセッション数とPV数

セッション数とは「訪問数」とも呼ばれ〈ユーザーのサイトへの訪問数〉のことを指します。例えば一人のユーザーが2回サイトに訪問したとしても、セッション数は1とカウントされます。そのユーザーが複数ページを閲覧した場合でも、セッションの回数が1回なら1とカウントされます。セッションとは、〈ユーザーが特定のWebサイトにアクセスして離脱するまで〉のことですので覚えておきましょう。またユーザーが特定のページを閲覧中でも30分以上操作されていない場合、0時を過ぎた場合、他サイトの参照元リンクや異なるキーワードでWebサイトにアクセスした場合などはセッション数が再カウントされる場合がありますので注意しましょう。

一方でサイトのPV数とは「アクセス数」とも呼ばれ〈ページが閲覧された回数〉を指します。

例えば一人のユーザーが3つの記事を見ると、3とカウントされます。簡単に言えばPVはWebページを、セッション数はユーザーを基準にカウントしてる指標というわけです。これらの数値は、何人のユーザーが、サイト内のコンテンツをどれくらい読んだのかというコンテンツマーケティングの効果測定の基本になる指標です。PV数・セッション数の見方や、改善方法についてもっと詳しく知りたいという方はこちらもぜひ参照にしてください。

  • ユニークユーザー(UU)数

PV数がサイトが開かれた回数(同一人物でも複数カウント)、セッション数がサイトの訪問(訪問〜離脱)回数を示すのに対して、ユニークユーザー数とはそのユーザーの数自体を示す数値です。

この数値はIPアドレスやホスト名、Cookieなどによってカウントされるので、たとえば後に紹介するGoogleアナリティクスなどのCookieを用いる分析ツールの場合、同一ユーザーでも異なるデバイスや、Yahooなどの異なるエンジンからログインがあった場合、UU数は2とカウントされます。PV数、セッション数と混同されがちなUU値ですが、以下の例を読んでその違いをよく理解しましょう。

たとえば二人のユーザーがサイトに訪問し、それぞれサイト内で計2つのページを閲覧した場合

PV数:4 (サイト、サイト内で記事が開かれた回数の合計)

セッション数:2 (サイト訪問~離脱の合計)

UU数:2 (サイトを訪れた人数)

となります。しかし翌日、またその二人が同じようにサイトに訪問した場合、

PV数:8

セッション数:4(同一ユーザーであっても別日ならばカウントされる)

UU数:2(純粋なユーザー数なので変わらない)

となります。PV数は「ページが何回開かれたか」、セッション数は「ある一定の期間内におけるで訪問(サイト訪問~離脱まで)をした人数」と覚えておきましょう。

  • コンテンツの文字数

コンテンツマーケティングを行う際、文字数は1,200文字〜7,000文字程度が良いでしょう。あまりに短いコンテンツは読了までの時間が短いので滞在時間が短くなり、Googleに評価されません。しかしあまりに長いコンテンツも、読者にとって読みづらく、時間リソースも割いてしまうので、もしも競合があまりいないのであれば、1,200文字程度の短めのコンテンツでも良いでしょう。一番重要なのは最低限の文字数をふまえ、あくまでユーザーに寄り添ったコンテンツ制作を心がけることです。

適切な文字数選定の考え方についてもっと詳しく知りたい方はこちらも参照にしてください。

2.定着、拡散の段階で測定したい指標

ある程度のセッション数、PV数がコンテンツマーケティングにおいて、商品・サービスの認知・拡散の効果を測定したい場合の指標を紹介します。

直帰率が多い場合は、コンテンツがユーザーにとって有益ではなかった可能性があります。滞在時間・スクロール率・回遊率などが高い場合は、コンテンツがユーザーにとって興味深いものであった可能性があります。SNSシェア数からは、情報の拡散されている状況がわかります。

平均滞在時間

〈滞在時間〉は大きく分けて以下の二種類に分類されます。

  • 平均セッション時間

平均セッション時間は、〈ユーザーがそのサイトに訪れていた滞在時間を表す数値〉です。特定のページにおける時間滞在を表すものではなく、ユーザーがサイトに訪れてから離脱するまでの一連の時間を表します。平均セッション時間の計測は、閲覧したページの開始時間と、次に閲覧したページの開始時間の時間差で計測されているため、最後に離脱したページのセッション時間は計測できません。

  • 平均ページ滞在時間

平均ページ滞在時間とは、ページごとの滞在時間の平均です。平均セッション時間が「サイト全体の平均滞在時間」を表すのに対して、こちらはそれぞれのページの滞在時間をもとに計算するのが特徴です。

直帰率が高く、平均滞在時間が短い原因として「ユーザーの望む情報が無かった」「他ページへの導線が分かりづらい」「ページが重く、読み込むのに時間がかかる」「スマホに対応していない」(モバイルフレンドリーでない)といった原因が考えられます。しかし必ずしもネガティブな要因だけでなく、「最初の1ページでスムーズに理解でき、満足できる内容だった」というケースも考えられます。該当ページのサイト内における立ち位置や目的に応じて数値の見方は変わりますので、あくまでも目安として参考にしましょう。

  • SNSでのシェア数

SNSのシェア数は、拡散力が高いほど増加し、サイト内に訪れるユーザーの人数も多くなります。確認方法としては、Googleアナリティクスのカスタマイズ設定や、サイトがWordPressで構築されている場合は、プラグインを使用することで確認できます。PVが低いコンテンツであってもSNSでのシェアが多かった、というようなコンテンツは今後の改善次第でさらに伸びしろがあるかもしれません。

また前述のモバイルフレンドリーであるかどうかもSNSでのシェア数に大きく関わってきますので、随時チェックするようにしましょう。

  • 直帰率と離脱率

直帰率とは「最初にアクセスしたページしか見られなかったセッションの割合」を指します。つまり直帰率とは〈全セッション(訪問)のうち何%が最初の1ページしか見なかったか〉を示していると言えます。

計算式は以下の通りです。

直帰率=直帰したセッション数 ÷ 全セッション数×100

たとえば、そのwebページに1日5セッションがあったとして、そのうち2セッションがページを訪問した後に離脱し、残り3セッションはサイト内の別ページに移動した場合、該当ページの直帰率は「40%」(2 ÷ 5 ×100= 40)となります。

一方で離脱率とは「そのページがセッションにおける最後の閲覧ページになった割合」を指します。つまりそのページにやってきた人が、どれくらいの割合でセッションから離脱したかを示したものです。

計算式は以下の通りです。

〈離脱率=離脱したセッション数 ÷ 全ページビュー数×100〉

たとえば、そのWebページに1日5セッションがあったとして、そのうち3セッションがそのページを見た後に離脱し、残り2セッションがサイト内の別ページに移動したとすると、該当ページの離脱率は

60%(3 ÷ 5×100 = 60)

となります。この二つの違いを分かりやすくすると、直帰率が〈そのページ「だけ」で閲覧が終わった割合〉のことで、離脱率は〈そのページ「で」閲覧が終わった割合〉のことです。つまり直帰は離脱に含まれたケースであると考えると分かりやすいかと思います。

例えば、そのWebぺージへのセッションが4回あったとして、そのうち2セッションが最初のページで離脱、残りの2セッションが別ページに移動した後、離脱したとします。その場合、直帰率は

50%(1 ÷ 2 = 0.5)

となります。離脱率についても見てみましょう。ページAへの4セッションのうち、3セッションがページA閲覧直後の離脱で、残り1セッションが同一サイト内の別ページへの回遊です。よってページAの離脱率は

75%(3 ÷ 4 = 0.75)

となります。順番にケースを追っていけば、直帰率と離脱率の違いは明白です。

気になるのは目安としてどのくらいの数値を想定すればいいのかというところですが、直帰率、離脱率の平均や目安というものは存在しません。なぜなら、それらはそのサイトの流入状況やページの構造によって大きく異なるからです。

たとえば複数のリンクを設置しているサイトよりも、リンクがフォームへしか貼られていないLPの方が当然、直帰率が高くなるように、サイトの役割や種類によってそれらの数値の目安は異なるのです。よって、これらの数値はあくまでも自サイトのページ内、あるいは自サイトのページ同士で相対的に評価することが重要なポイントです。そのためには定期的に離脱率をモニタリングし続けている必要があります

しかし、同じページにも関わらずサイトの改修や広告の変更後に離脱率や直帰率が上昇してしまった、といった場合にはすぐに対応する必要があります。また直帰率に関しては以下のように業界、チャネル、サイトの種類別におおよその傾向をまとめたデータが存在しているので、自身のサイトの特徴と組み合わせ、目安となる直帰率として参考にしてみるのもいいでしょう。

また直帰率の改善方法についてわからない、という方はぜひこちらの【直帰率・平均セッション時間を改善する施策】もぜひ参考にしてください。

 

(外部サイト) 業界別平均チャネル別平均サイトの種類別平均

 

  • 回遊率

回遊率とは、「1セッション数あたりのPV数」のことを指します。つまり〈ユーザーが一回のセッションでどれだけそのサイトを回ったのか〉を示しているということになります。計算式としては以下の通りです。

〈回遊率=PV数÷セッション数〉

例えば、セッション数が40で、PV数が80だった場合、回遊率は2となります。ユーザーが最初に訪れたページから、サイト内の他のページにアクセスするほど回遊率は上がっていき、一般的には回遊率が高いほどユーザーのサイトに対する好感度が高く、満足している状態であると判断され、記事やブログサイトであればユーザーがそのサイトのファンとなり、再訪問などの顧客ロイヤリティの向上に貢献し、ECサイトであればユーザーと商品の接点が増えるため、購入機会が増えるなど、回遊率を上げることには多くのメリットが存在します。

しかし一方で、回遊率はただ高ければ良いというものではありません。例えば回遊率が高かったとしても、「欲しい情報が見つけられず、サイト内を回遊してしまっている」というネガティブな要因も考えられるためです。逆に回遊率が低い場合でも、「ヘルプページなど、ユーザーが知りたい情報を得て満足して離脱している」というポジティブな要因が考えられますので注意しましょう。

  • 読了率、スクロール率

セッション数やPV数はそのページがどれくらい開かれたのかの指標ではありますが、そこには「開いたもののすぐに帰ってしまったセッション」も「記事を最後まで読んだセッション」も同じ数としてカウントされてしまいます。ユーザーが最後まで読んだ記事はどういった記事なのか、といった読者の行動をより正確に把握するためにはより詳しい分析を行う必要があります。

そこで役に立つのが読了率とスクロール率です。

読了率とは〈全セッションのうち、ページの最後まで読まれたセッションの割合〉を示し、スクロール率はページ全体の縦の長さを100%としたときに、〈そのページの何パーセントまでユーザーがスクロールしたか〉を測定します。50%まで読んでくれた人が何割、75%まで読んでくれた人が何割など、それぞれの数値を細かく内訳することで、掲載された記事がユーザーのの目的に適っていたかどうかを知ることが可能です。

つまり直帰率(全セッションのうち、最初のページで離脱したセッションの割合)と離脱率(そのページで離脱したユーザーの割合)と同じと同じように、読了率とはセッション全体に、スクロール率は該当ページに対する分析であると言えます。そしてこちらも同じように、ページの種類や目的によって一概に目安となる基準というものは存在しないため、やはりこれらの数値はあくまで自サイトのページ内、あるいは自サイトのページ同士で相対的に評価することが重要なポイントです。そのためには定期的にモニタリングし続けましょう

3.〈CV、顧客獲得〉の段階

流入が一定数安定してきたら、ようやくCV(コンバージョン数)といった数値をKGIとして設定することができます。CVはサイトの種類、目的によって異なりますが、中でも多くの事業に利用できそうなKPIは以下になります。

  • 「メールマガジン登録」

  • 「セミナー申込」

  • 「サービス問合せ」

  • 「トライアル申込」

  • 「ホワイトペーパーダウンロード」

ホワイトペーパーとは市場動向の分析、導入事例の解説、他社製品との比較などを文書にまとめた資料です。既存顧客のみならず、潜在顧客の抱えている課題解決に役立つ情報を盛り込むコンテンツとすることで、自社製品・サービスへの興味を喚起することもできます。

  • 「利用頻度」

ソフトウェアなどのサービスでは、ログイン頻度などをKPIとして持っていることが多いです。なぜなら、利用頻度が下がってくるとその先に解約があるからです。定期的に利用するようなサービスは、必ず確認しておきたい指標です。

  • アップセルとクロスセル

アップセルとは顧客ひとりあたりの単価向上を目的として顧客が購入したもの・購入しようとしているものよりも、さらに上位商材を提案し、購買してもらうことを意味しています。似たような語としてダウンセルがありますが、こちらは通常より料金を下げたり、下位商材を提案し、購買してもらうことを指します。一方でクロスセルとは、顧客が購入しようとしている商材に関連する別商材を提案し、合わせて購入してもらうことを意味します。こちらもアップセルと同じく、顧客ひとりあたりの単価向上が目的となります。

サーチコンソール、アナリティクスを活用しよう

サイトにおける各数値の計測には〈Googleサーチコンソール〉、〈Googleアナリティクス〉(GA4)を用いるのがおすすめです。これらはGoogleが無償で提供するユーザー分析ツールであり、アカウントさえ作れば誰でも無料で使うことができます。

〈サーチコンソール〉はユーザーがどのような検索キーワード(クエリ)でサイトを見つけ、何を求めてサイトに流入したのか、といった「サイト流入前のユーザー行動を分析するツール」です。一方で〈Googleアナリティクス〉は「サイト流入後のユーザー行動を分析するツール」であり、ウェブサイトの内部改善には非常に有効なツールです。

それぞれの役割をまとめると以下のようになります。

Googleサーチコンソールで分析できること

  • サイト流入時のクエリごとの表示回数やクリック数
  • 検索エンジン上におけるサイトの見え方、表示順位。またそれに関する問題の警告や、クロールエラー(サイト内のページが削除されてしまっている場合や、サイト内リンクがリンク切れている場合)の報告

Googleアナリティクスで分析できること

  • サイト自体のアクセス状況(PV数、セッション数、直帰率など)
  • どのようなデバイスや属性から流入しているのか
  • サイト内でユーザーはどのような行動をしているのか

 

これらの分析データを活用することにより、サイト改善はもちろん、顧客の潜在ニーズを発掘し、そのために必要なコンテンツを把握することが可能です。またこれら2つのツールを連携することでユーザーのサイト訪問前から訪問後までの行動を一貫して把握し、より正確で効率的な施策を打つことができます

サーチコンソールの使い方や活用方法、アナリティクスとの併用方法について初心者でも分かりやすく画像付きでまとめた当社の記事もあるので、こちら(外部サイト)もぜひ参考にしてみてくださいね。

 

まとめ

このように、コンテンツマーケティングにおけるKPI・KGIはフェーズごとに適切に設定された効果測定によりWeb上でのユーザー行動をデータとして把握し、継続的にコンテンツを改善することが大切です。最初からCVを意識し過ぎるあまり、いつの間にか販売色が前面にでたコンテンツばかりにならないように注意しましょう。あくまでユーザーのニーズに寄り添った質の高いコンテンツを用意するということが大切です。

 

また、やはりコンテンツマーケティングはユーザーの育成を行って関係性を構築する戦略である以上、その効果はリスティング広告などと比べて数値化することが難しく、明確なに評価できるほどの成果が出るまでには時間がかかるため、中長期的な視野で考える必要があります。こうした点についてしっかり理解したうえでそれぞれの段階に適したコンテンツの用意、KPIの設定、効果測定を行うようにしましょう。