コンテンツマーケティング
【集客の柱】ターゲットの決め方とは?ペルソナとの違いも解説
2021/12/21コンテンツマーケティング
目次
なぜ必要?ターゲットを決める理由とは
この章では、なぜターゲットを決める必要があるのか?決めることで生じるメリットは何か?について解説します。ターゲットを決める理由は大きく分けて3つあります。以下でそれぞれを解説していきます。
適切な施策が実行できる
ターゲット設定とは、商品の購買層を性別・年齢・住所・職業を絞り込むことですが、ターゲットを決めることで、どの施策が適切なのか判断できるようになります。
例えばネット広告・チラシ・メルマガなど、集客の手段は様々ありますが、若者を集めるときにチラシを配るのは、恐らく効果が無いですよね。若者を集めるにはネット広告の方が良さそうです。どの地域の若者を狙うのか?性別は男女どちらを狙うのか?ターゲットを設定さえすれば、自然と適切な施策は決まります。
このようにターゲットを決めることで、効果が期待できる施策を選択できるのです。
ユーザーの反応率が上昇する
絞り込んだターゲットを設定することで、ターゲットが抱える悩みが予測可能となり集客効果が飛躍的に向上します。
例えば、【18~22歳・男・大学生・都内在住・バイト収入7~10万円・一人暮らし】とターゲットを決めると、どんな悩みを抱えているか、ある程度予測できますよね。
・金欠で遊べない
・バイトと勉強の両立が大変
具体的には上記のような悩みが挙げられます。
この学生の場合、次の2つの広告のどちらに反応するでしょうか?
【男性限定アルバイト】
【金欠で遊べない男子大学生におすすめの高収入バイト】
恐らく後者に反応しますよね。このようにターゲットを絞ることで、ターゲットに刺さる集客が可能になるのです。反対に【男性限定アルバイト】のように「万人受け」を狙った広告では、見向きもされません。
リソースを集中投下できる
ターゲットを絞ることで、リソース(ヒト・モノ・カネ・時間)を集中して集客可能となります。特に中小企業の場合は、大企業のように莫大な広告予算・人的資源を投入して、様々なターゲットに対して、しらみつぶしに広告を出し続けるのは不可能ですよね。リソースの限られた中小企業では、特にターゲット設定が集客の命と言えるでしょう。
ターゲットを狭く絞ることでリソースを1点に集中投下できるため、大企業にも負けない効果的な集客が可能です。
ターゲット設定による売上UP事例
ターゲット設定で売上を向上させた事例として、マツダの「2%戦略」が挙げられます。
マツダは大胆なターゲットの絞り込みを行うことで、前期の1077億円の赤字(4年連続の赤字)から一転して、343億円の黒字へと奇跡のV字回復を遂げました。
以前は金額を安くすることで万人受けを狙っていましたが、「安かろう悪かろう」のイメージが付き、ブランド価値の低下から赤字が続いていました。
そこで、万人受けではなく、マツダに強烈な興味・関心を持っている2%の顧客にターゲットを絞り込んだ結果、売上が飛躍的に向上したのです。
通常、メーカーが新製品開発を行う際には数百から数千のサンプルを対象とした定量的なアンケート調査と6人×10グループ程度の定性的なグループインタビューを行い、製品開発の参考にします。
しかしマツダは、世界から5人の熱狂的なファンを選び、わずか5人に綿密なヒアリングを実施することで、世界の2%から強烈に支持される製品を開発するという施策を実行しました。その結果、現在もマツダの主力製品となっている「アテンザ」セダンが開発され、奇跡のV字回復を遂げたのです。
自社のターゲットを絞り込むことで、ターゲットだけに響く施策を大胆に選択できるようになり、さらによりリソースを集中投下できます。結果、自社の利益最大化に繋がるのです。
ターゲット設定の項目
一般的にターゲット設定の項目は以下の通りです。
【年齢・性別・居住地・職業・年収・学歴】
自社商品の見込み顧客は誰なのか?ターゲット項目に当てはめて明確にしてみてください。
ターゲット設定する際の注意点
細かくターゲットを絞らないと効果が出ない
「ターゲットを絞りすぎると母数が少なくなってしまうから」と、ターゲットを曖昧にしてはいけません。万人受けを狙っても誰の目にも留まらないからです。
「住宅の購入を考えている方」よりも「新築住宅の購入を考えているお父さん」と言われた方がメッセージ性が強まり、「私のことだ!」とハッとします。
ターゲットを絞ると接触母数が減ってしまうので、集客が難しくなると感じますよね。
しかし、メッセージ性を強めることで刺さる人にはグサリと刺さり、かえって集客効果が高まるのです。
より詳細なターゲティングが必要なケースもある
例えば、20代女性とターゲットを決めたと仮定します。
・成人式を控えた女性
・大学生
・就活生
・社会人
・小さい子供を持つ母親
このように20代女性とターゲットを絞っても、年齢ごとにシチュエーションがバラバラなのです。例えば成人式を控えた女性なら、「振袖」「成人式の髪型」などに興味がある、と予測できますが、就活生や社会人は「振袖」「成人式の髪型」に全く興味ないですよね。
属性で絞ったとしても、シチュエーションが異なるターゲットが含まれる場合はさらに詳細にターゲティングしましょう。そうしないと、全く見込みのないターゲットにも広告費を割くことになり、失敗の原因になります。
STP分析で効果的なターゲット設定が可能
ここまで説明してきた「ターゲティング」はSTP分析というフレームワークの一部です。STP分析とはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つの頭文字から名付けられた分析手法。STP分析によって自社の強みを活かしつつ、競合との戦いを回避しながら集客を行えるようになります。
簡単に説明すると、以下の通りです。
セグメンテーション:市場を細かく分けること。
ターゲティング:細分化した市場の中で、どの市場を狙うのか決定すること。
ポジショニング:自社の立ち位置を確立すること。
理解を深めるために、ノンアルコールビールの事例を記載します。
ノンアルコールビールの事例
最初にノンアルコールビールを発売したのはキリンでした。
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングは以下の通りです。
セグメンテーション:ビールを飲む人・何らかの事情でビールを飲めない人etc…
ターゲティング:何らかの事情でビールを飲めない人
ポジショニング:「ビールを飲みたいけれど、飲めないとき」の代わりのビール
つまり、キリンは「ビールを飲みたいけれど、飲めない状況の人」をターゲットに設定しました。具体的には車の運転を控えている人・妊婦・休肝日に飲みたい人などです。
一方で、サントリーのノンアルコールビールは全く別のターゲティングを行いました。
セグメンテーション:ビールを飲む人・何らかの事情でビールを飲めない人etc…
ターゲティング:美味しくて健康的な飲み物を飲みたい人
ポジショニング:カロリーゼロ、糖質ゼロで健康的なビール
このように、サントリーは健康を気にする主婦やダイエット中の女性をターゲットにすることで、キリンとの競争を回避できました。
6Rでターゲット設定に問題がないか確認
STP分析で狙うターゲットが決まったら、6Rの観点から問題がないか確認しましょう。例えば、誰も競合がいない市場であっても、市場規模が小さすぎると売上がたたない可能性が高いです。
・市場規模
どの程度ターゲットがいるか?市場規模が小さすぎると、利益が出ないリスクがあり、一方で市場規模が大きすぎると、競合が多くなります。
・市場の成長性
将来的に成長する見込みがあるか?今後の成長が期待できる市場なら、早期に参入して先行者利益を得られる可能性があります。
・市場の優先度
広告・口コミの波及効果が高いか?例えばメディアに注目されていたり、インフルエンサーが多かったりする市場は優先度が高くなります。
・到達可能性
ターゲットに商品やサービスを届けたり、広告を見てもらえるか?地理的要因などで、そもそも集客できない場合はターゲットから除外します。
・競合状況
競合は少ないか?また強い競合はいないか?競合が多い・強力な競合がいる場合は、集客の難易度がかなり上がります。
・測定可能性
施策の効果は測定できるか?効果が測定できない場合は、施策の改善が難しいです。
ターゲットとペルソナは何が違うのか?
ターゲット設定と似た手法に「ペルソナ設定」というものがありますが、ターゲットとペルソナの違いはご存じでしょうか。簡単に言うとターゲットよりも、詳細にプロフィールを作りこんだものがペルソナです。
ターゲットは、年齢・性別など大まかにプロフィールを決めます。一方でペルソナは、休日の過ごし方・趣味・悩み・通勤にかかる時間など、非常に細かくプロフィールを作りこむことで、実際に存在しているかのようなユーザー像を設定します。
ただし、ペルソナは本来、データに基づいて設定するものです。最初から想像で顧客像を設定しても効果は期待できません。Web集客では施策の効果を測定しながらスピーディに改善可能なので、まずは大まかなターゲットを決めて施策を実行しましょう。その結果を見ながら、施策を改善する方が効率が良いです。
まとめ
ターゲット設定を行うことで、適切な施策の実行・ユーザー反応率の向上・リソースの集中投下の3つが可能になります。ターゲットを決める際の注意点に気を付けながら、Webで効果的な集客を行いましょう。